10月に入り、スーパーや直売所の売り場にもさつまいもがたくさん並ぶようになりました。同じ品種、同じ値段でも、手に取ってみると一本一本ずいぶん表情が違います。「どれを選んでも同じかな」と思いがちですが、実はちょっとした見どころを知っておくだけで、おいしいお芋に出会える確率はぐっと上がります。
今回は、売り場で立ち止まったときにすぐ使える選び方のコツを、順番にご紹介します。芋活のお買い物にぜひ役立ててください。
店頭でまず見たい4つのポイント
売り場では、次の4つを上から順に見ていくと迷いにくくなります。
- 形:真ん中がふっくら太く、両端に向かってなだらかに細くなる「紡錘形(ぼうすいけい)」が理想です。中身がしっかり詰まっている目安とされています。極端に細長いもの、途中でくびれているものは、食べられないわけではありませんが、焼いたときに火の通りにムラが出やすくなります。
- 皮の色とツヤ:赤紫の色が鮮やかで、ツヤのあるものを選びましょう。土が付いていても、見えている部分の色がきれいなら心配いりません。皮がきれいなお芋は、収穫後の貯蔵がうまくいっていることが多いといわれます。
- くぼみ:表面にある小さなくぼみは、ひげ根が生えていた跡です。くぼみが浅く、数が少なく、表面がなめらかなものがおすすめ。くぼみが多く深いものは、繊維が多く筋っぽい食感になりやすい傾向があります。
- 切り口:両端の切り口に、黒っぽいものがにじんでいることがあります。これについては誤解が多いので、次の章でくわしくお話しします。
迷ったら「形がふっくら」「皮がつやつや」「くぼみが少ない」の3つがそろったものを選べば、大きく外すことはありません。
「黒い蜜」は甘さのしるし?よくある誤解
お芋の切り口に黒いベタッとしたものが付いていると、「蜜がたっぷり=甘い」と聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。
じつはこの黒いものの正体は蜜ではありません。さつまいもを切ると出てくる白い液には「ヤラピン」という樹脂のような成分が含まれていて、それが空気に触れて黒く変わったものです。ですから、黒い跡が多いからといって甘さが保証されるわけではないのです。
とはいえ、切り口からしみ出ているのは、お芋がみずみずしく鮮度がよいという目安にはなります。「甘さの証明」ではなく「新鮮さのヒント」として見るのがちょうどよい付き合い方です。
なお、切り口ではなく、お芋の中身や断面全体が黒ずんでいる場合は話が別です。これは後ほどご紹介する低温による傷みのサインのことがあります。
食べ方に合わせて品種を選ぶ
よいお芋を選べても、作りたい料理と食感が合っていないと「あれ?」となってしまうことも。品種ごとの食感の傾向をざっくり押さえておくと便利です。
- ねっとり・しっとり系:紅はるか、安納芋、シルクスイートなど。焼き芋にすると蜜っぽい甘さが楽しめます。スイートポテトやペーストにも向いています。
- ほくほく系:紅あずま、鳴門金時など。天ぷらや煮物、大学芋など、形を残したい料理で活躍します。
売り場に品種名が書かれていないときは、お店の方に「焼き芋にしたいのですが、どれが向いていますか?」と聞いてみるのもおすすめです。直売所なら、作った方ならではの食べ方を教えてもらえることもあります。
持ち帰ったら確認したいこと
おうちに帰ってからも、ちょっとしたチェックで「ハズレ」を防げます。
- しなびていないか:表面にしわが寄っている、色がくすんでいるものは乾燥が進んでいます。早めに使い切りましょう。
- カビや柔らかい部分がないか:湿気が多いとカビが出やすくなります。一部だけ傷んでいる場合も、そこから傷みが広がりやすいので、ほかのお芋と分けておくと安心です。
- 冷やしすぎていないか:さつまいもは寒さが苦手で、10℃以下の場所に置くと細胞が傷む「低温障害」が起こりやすくなります。切ったときに断面が黒ずむ、甘みが落ちるといった変化が出ることがあり、そこから傷みも進みやすくなります。保存は13〜15℃くらいの涼しく暗い場所が目安です。
買うときに選び、持ち帰ってから確かめる。この二段構えで、おいしいお芋との出会いをもっと楽しんでみてください。
農家のひとこと
これからテレビでもよく間違って伝えられたりする、皮の黒い蜜のようなもの。。
これは蜜ではないのでこれが多いから甘い!ってことにはならないので注意です!
それよりも熟成の期間のほうが重要なので、スタッフの方がいると聞いてみるといいかもしれませんね!!



