さつまいもを半分に割ったとき、中の色をじっくり見たことはありますか。おなじみの黄色だけでなく、紫やオレンジ、白っぽいものまで、さつまいもの果肉は品種によって驚くほど色が違います。
ハロウィンが近づくこの季節は、紫やオレンジのお芋が売り場に並ぶことも増えてきます。今回は「果肉の色」という切り口で、品種の個性と、色を生かしたおいしい楽しみ方をご紹介します。
黄色い果肉は「いつもの甘さ」の代表
私たちが普段よく目にするのは、皮が赤紫で中が黄色〜クリーム色のタイプです。べにはるかやシルクスイートもこの仲間で、焼き芋や蒸し芋にすると、しっとり甘い「いつものさつまいも」の味わいが楽しめます。
黄色系は種類が多く、ほくほくからねっとりまで食感の幅が広いのが特徴です。色だけでは食感まで見分けられないので、気になる方は品種名もあわせてチェックしてみてください。
紫の果肉は「ふくむらさき」で身近に
紫芋というと、色はきれいでも甘さは控えめ、という印象をお持ちの方もいるかもしれません。そのイメージを変えてくれるのが「ふくむらさき」です。
ふくむらさきは、農研機構が育成し、2018年に発表された紫肉の品種です。紫芋の「パープルスイートロード」を親に持ち、それよりも紫色が濃いのが特徴です。蒸し芋や焼き芋にしたときの糖度はべにはるかと同じくらいとされ、食感はしっとり。茨城県など関東の産地を中心に広がっています。
紫色のもとは、ブルーベリーなどにも含まれる色素「アントシアニン」です。この色素はまわりの性質で色が変わるのがおもしろいところ。
- レモン汁やお酢など酸性のものを加えると、赤みが強くなります
- 重曹など、アルカリ性のものを加えると、緑がかった色に変わります
紫芋の蒸しパンを重曹でふくらませたら緑っぽくなってしまった、というのはこのためです。色をきれいに残したいときは、ベーキングパウダーを使うレシピを選ぶか、レモン汁を少し加えてみてください。
オレンジの果肉は「ハロウィンスウィート」
かぼちゃのような鮮やかなオレンジ色の果肉を持つのが「ハロウィンスウィート」です。種苗会社が育成した品種で、名前のとおりハロウィンの時期にぴったりの見た目です。
おもしろいのは、生のときは淡いオレンジなのに、加熱すると色がぐっと濃くなるところ。食感はしっとり〜ねっとり寄りで、オレンジ色のもとになるβ-カロテンを多く含むとされています。
β-カロテンは油と一緒にとると吸収されやすい栄養素です。
- 輪切りにしてオリーブオイルで焼く
- バターを使ったスイートポテトにする
- 角切りにして、ごま油で炒め煮にする
といった、少し油を使う食べ方がおすすめです。色が映えるので、ポタージュやサラダにすると食卓がぱっと明るくなります。
白っぽい果肉は「コガネセンガン」
果肉が白〜淡い黄色の代表が「コガネセンガン」です。鹿児島県を中心に栽培され、芋焼酎の原料としてよく知られています。
食べ方としては、甘さは控えめで、ほくほくとした食感が持ち味です。甘さが強すぎないぶん、天ぷらや煮物、味噌汁の具など、おかずに使いやすいタイプです。見かけたらぜひ、いつもの料理に使ってみてください。
色ちがいで楽しむ芋活のすすめ
せっかく色の違うお芋が手に入る季節なので、食べ比べをしてみてはいかがでしょう。おすすめの手順はこちらです。
- 黄色・紫・オレンジなど、色の違うお芋を2〜3種類用意する
- 同じくらいの太さのものを選び、同じ方法(蒸す・焼くなど)で加熱する
- 輪切りにして断面を並べ、色・香り・食感・甘さを比べる
同じ条件で加熱すると、品種ごとの違いがはっきりわかります。断面を並べると、それだけでとてもかわいらしい一皿に。写真を撮っておくと、芋活の記録にもなりますね。
色の違いは、見た目の楽しさだけでなく、品種の個性そのものです。次にお芋を選ぶときは、ぜひ「中は何色かな?」と想像しながら手に取ってみてください。
農家のひとこと
僕が子供の頃は色のあるお芋は美味しくないというイメージがありましたが品種改良でどんどん美味しくなってますね!!


